地盤改良が必要かどうかは 地盤調査の結果と周辺の状況を調査して
1、地耐力(地面が建物を支える強さ)が20~30KN/㎡以下の軟弱地盤と判断された場合
2、敷地が 埋め立てや 森戸で造成された土地、 過去に陥没があった土地 液状化や不同沈下の可能性がある土地など
地盤の強化が必要と判断された場合
以上の2つの条件から判断されます。
福山市は江戸時時代より 干拓をして平野を増やしてきました。大半の土地は 昔は海だった所です。
ですから、市内のほとんどは 大きな地震があると液状化の恐れがあり地盤改良が必要と判断されます。
昔からの 山際や 箕島の様に島だった所は 地盤が良い場所では 地盤改良は必要なしと判断されるところがあります。
ただし、そういった地盤の良い場所でも、造成や埋め立てをした場所では、不動沈下の恐れのある土地もあります。
地盤改良工事をしなかったらどうなる
地盤が軟弱なまま家を建ててしまうと、地盤が家の重量に耐え切れず沈み、結果家が傾いてしまうおそれがあります。
家が傾くとドアや窓が開きにくくなったり、外壁がひび割れたりとさまざまな部分に影響が出る可能性も。
その結果資産価値が落ち、高額な修繕費用に悩まされるといった事態になるかもしれません。
家を建てる際は必ず地盤調査を行い、必要に応じて地盤改良工事をしなければならないことを頭に入れておきましょう。
住宅の場合の地盤改良はどんなものがあるのでしょうか
地盤改良工事は主に3種類あります。
1表層改良工法
2中条改良工法
3小口径鋼管杭工法
一口に地盤改良工事といっても、敷地の「地耐力」や「地質」、建てる建物の「大きさ」や「重量」
などにより工事の方法は違います。
更に、地盤改良工事の費用となると、工法だけでなく、敷地の「道路状況」や「資材の搬入条件」
も加味しなければいけないので、
戸建住宅の相場は約50~200万円となり、かなり金額の幅が大きくなってしまいます。
なので、まず最初に「工法別のおおよその費用相場」と「メリット」「デメリット」について解説したいと思います。
表層改良工法
地盤改良工事の中でも工事費用が安価な表層改良工法ですが、軟弱な地盤が地表から2m以内でなければ対応が困難となります。
杭を施工するのではなく、軟弱地盤の土とセメント系の固形材を混ぜ合わせ、転圧することで地盤の強化を図る工法です。
工事期間は建物の規模にもよりますが、ほとんどの場合は1~2日で完了します。
◇メリット
- 工事費用が比較的安価
- 他の工法に比べて小型の重機でも工事が可能
- 地盤にコンクリートや石が混入していても施工可能
◆デメリット
- 地盤改良面より地下水位が高い場合は対応できない
- 勾配の強い地盤面では施工が難しい
- 職人さんの技術により仕上がりの強度にムラができやすい
〇費用の相場
地盤改良工事の施工面積1坪(3.31㎡)あたり3万円程度が一般的
柱状改良工法(湿式)
戸建住宅では一番多いと言われている柱状改良工法ですが、軟弱な地盤が地表から2~8mでなければ対応が困難となります。
セメント系の固形材を地盤に注入し特殊な重機により軟弱地盤と混ぜ合わせることで、柱状の強化地盤を形成し建物を支える工法です。
工事期間は建物の規模にもよりますが、30本程度の杭であれば2~3日で完了します。
◇メリット
- 比較的に小型の重機でも施工可能
- 地盤の強度によっては、支持層(強固な地盤)がなくても強度を保てる
◆デメリット
- 施工後は地盤を現状に戻すことが非常に難しい
- 改良杭が残ってしまうので、土地の売買価格が下がる原因になることがある
〇費用の相場
建物の建築面積1坪(3.31㎡)あたり4~5万円程度が一般的
鋼管杭工法
戸建住宅では比較的に少ない鋼管杭工法ですが、軟弱な地盤が地表から30m以内であれば対応が可能です。
支持層に到達した金属製の鋼管により、建物を支える工法です。
工事期間は建物の規模にもよりますが、ほとんどの場合は1~2日で完了します。
◇メリット
- 強度が高く、重量のある建物にも対応可能
- 費用はかかるが、原状復帰することができる
◆デメリット
- 支持層まで鋼管杭が届かなければ強度が保てない
- 大型の重機が必要なため敷地状況によっては工事が出来ない
- 工事中の騒音や振動が大きい
〇費用の相場
建物の建築面積1坪(3.31㎡)あたり5~7万円程度が一般的
六価クロムのキケン
セメントを土と混ぜると、化学反応をおこし「六価クロム」という有害物質が発生するキケンがあります。
「六価クロム」とは、昨今、世間を大きく騒がせた「アスベスト」と並ぶ、二大発ガン物質の1つで、
LARC(国際がん研究機関)からもリストアップされています。
恐怖!自宅で六価クロムが発生する可能性が
マイホームでは、庭で子供が遊んだり、家庭菜園を行ったりと様々な生活がありますが、セメント系の地盤改良を
行った場合、この六価クロムが発生するリスクがあります。
夢のマイホームで健康を害する可能性が少しでもあるのは嫌なものです。
セメント系の地盤改良工事を行う場合は、ご担当の住宅会社の方に十分にご相談のうえ、ご検討されることをお薦めします。
(※セメント系の地盤改良を行った場合、必ず六価クロムが発生するということではありません。)
六価クロム非溶出型地盤改良材 を使った改良工法もあります。
普段はなかなか目を向けられない地盤改良ですが、どんなにお洒落な家を建ててもどんなに高性能で豪快な家を建てても、
地盤が弱いせいで家が傾いてしまったり地震の時に崩れたりしたら意味がありません。
ご紹介した地盤調査の意味、地盤改良の必要性、地盤改良の具体的な選択肢、地盤を予測するチェックポイントを参考にして頂いて、これからマイホームを考えている人にとって少しでもお役に立てれば幸いです。